ククリア学園 交流会その後② 幕間
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ククリア学園

-Astorni & Isukarna-

交流会その後② 幕間

 
アサヒは一通の手紙を前に悩んでいた

差出人は『ハリー・ロサレス』
数日前、美術館で喧嘩をした相手だ

無地の便箋に書かれた内容はとてもあっさりしたもので
でもアサヒを悩ませるには十分だった



「はい、アサヒちゃんどうぞ♪」


難しい顔をしているアサヒの机の上に置かれたのは甘い香りの紅茶
隣を見るとクラウディアがにこにこと自分の椅子に座っていた
その手には可愛らしいカップが握られている
先日、二人で買い物をした時に色違いで購入したものだ


「ありがと」


礼を言い、紅茶に口をつけると、香りと共にふわりと優しい味が広がった
まるで今のアサヒの状態をほぐすために選んだようだ



「お返事、書かないの?」



さっきから手紙を前に悩み続ける友人を不思議に思ったのかクラウディアは首をかしげる
アサヒは問題を思い出したかのようにはっとすると視線を手紙に落とす

そして深刻そうにゆっくりと口を開いた


「だって・・・」

「うん?」

「この前喧嘩して別れたんだよ?」

「うん」

「なのに『公園に行こう』って・・・」

「公園、楽しそうでいいと思うけどな~♪」



ふわふわと笑うクラウディア

その笑顔を見て、毒気を抜かれたアサヒは自分が気にしすぎなのかともう一度考える

視界に入る手紙には意外と綺麗な字が並んでいて、なぜか少し腹が立った




アサヒが気になっているのは『なぜハリーは会うたびに喧嘩をしているのに、自分を遊びに誘うのか』

また会っても言い合いになるかもしれないのに・・・





「どうしよう・・・」

「交流会の時の二人、楽しそうだったよ~」

「どこが!?」

「全部♪それに・・・



 アサヒちゃん、嫌だったら悩まないでしょう?」






笑顔のままのクラウディアと目が合う



数秒後、核心を突かれたアサヒの顔が一気に赤くなった





そうだ


本当に嫌なら悩まない



心のどこかで 『会いたい』 と思っているのだ



アサヒには男友達もいる

でも、ハリーはその友だち達とは少し違って


喧嘩をしても

もう少し、あと少し


一緒にいたいと思ったのだ





「・・・」

「・・・」

「・・・返事、書く」

「うん♪」



ごそごそと引き出しから便箋を取り出す友人を見て、クラウディアは嬉しそうに紅茶を一口飲んだ





「いつかヒルベルトちゃんと私も一緒に4人でお出かけしようね♪」

「え!?・・・うん」



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