ククリア学園 元同室はどんな人?
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ククリア学園

-Astorni & Isukarna-

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元同室はどんな人?

 
 「そういえばさ、中等部の頃君と同室だった人はどうしたんだい? まさか内部進学の人と同室になるなんて思わなかったから意外だったんだけど」
 クリスピンは高等部からアストルニに進学したヴァーノンと同室になった。
 もともと寮は2人部屋で、中等部に進学する時に同室になった者は6年間同じ部屋で生活をする。
 その関係で高等部から編入した生徒は編入生同士同室になっている。
 しかしヴァーノンと同室の彼は初等部から在籍しているという。
 つまり、元ルームメイトが何かしらの事情で不在になったということだ。
 「ああ… いいやつだったんだけどな」
 少し伏し目がちに、何かを思い出したようにクリスピンがつぶやく。
 「なんか聞いちゃいけない雰囲気?」
 「いや、たまには思い出してやるのも悪くないかなって。まぁお茶でも飲みながら…いろいろ思い出すからその間に入れてくれる?」
 ただならぬ空気を感じ取り、ヴァーノンはお茶の用意を始めた。


 「去年の今頃だ。そいつの様子がおかしくてさ。初等部から付き合いあるから大体何でも気づくというか…」
 「うん」
 「やりたいことができたから外国の学校に転校したいと言ったんだ。珍しいことじゃないんだけど親がいい顔しなかっみたいでずっと手紙で説得してたんだよ」
 「許可は出たの?」
 「冬前にな。親御さんとしては高等教育まで修了して欲しかったみたいなんだが…」
 「親御さん的にはそうかもねえ」
 「そんで、あっちの学校の手続きも終わった頃に高熱出してさ。無理がたたってちょっとタチの悪いことになって、入院してそのまま実家に引き取られていったんだ。で、それが最後だった。 …ってなんでそんな神妙な顔してるの?」
 「ごめん。辛いこと思い出させたよね?」
 「まあ… 辛くないとは言わないけど生きてりゃいろんな別れ方あるしな。暫く一人部屋ってのも新鮮だったよ。もっとちゃんと別れを告げたかったけどそうも行かなかったからな。事務手続きをしにきた親御さんには挨拶したけど」
 「親御さんも辛かっただろうね」
 「もっと早くに気持ちを組んであげればって言ってたけどまあこればっかは不可抗力というか」
 沈痛な気持ちにさせる話を聞き出してしまい申し訳なく思っていたヴァーノンだが、ふと何かが噛み合っているようで素敵に会話が噛み合ってないような感覚に襲われる。
 少し賭けになる可能性はあるが… と一呼吸置いてクリスピンに話しかける。

 「その彼、今はどこに…」
 「ん? ここから飛行機で10時間くらいの所だったかな? 向こうで遺跡の研究がしたいから現地の学校に入って大学で考古学を学びたいっていってたからさ。あいつあっちに骨を埋める覚悟だとか言っておふくろさん泣かせてたよ。説得するのに俺まで巻き込まれてさ。なつかしいなあ」
 「骨…」
 つまり、彼が憧れた地に骨を埋めたということなのだろうかと頭を悩ませる。
 「そんだけ本気ならって折れたわけだよ。この前手紙に着いた当初は食あたりする毎日だったけど今は多少砂まじりでも気にならなくなったって書かれてたよ」
 「そう、手紙に… え? 彼、元気なの?」
 「は? 元気に決まってるだろ」
 「君の話し方だと冬の時点で病によって帰らぬ人になったみたいな言い方だったんだけど!?」
 「え…?」
 「え…?」
 噛み合っているようで会話が全く噛み合っていなかった事実に双方目を見開いてしまう。
 「病気になって実家に引き取られたのが最期って…」
 「あのころ学内で高熱を伴う風邪が流行ってさ。あいつ編入試験や渡航手続きとか荷物の整理で疲れてたんだろうな。症状が重くて入院している間に卒業式迎えてそのまま会ってないんだ」
 「今の話しぶりだとどう考えても彼が病気で亡くなったとしか聞こえない」
 「死んだなんて一言もいってないし!」
 「だって君、時々話しにくそうにしていたし」
 「ああ。高等部に進学してからの出来事のほうがインパクトありすぎて結構忘れ気味になってたというか」
 「心配して損したよ…」
 「えー… お前こそ人の友人勝手に殺したじゃんー… ほれ、紅茶おかわり」
 「自分で淹れなよ」
 「えー? 俺の友人脳内で亡き者にした罰だよ。紅茶一杯で無罪放免にしてやる最高のチャンスだぞ」
 相手の説明がどうとも取れる言い草だったとは言え、若干夢を追って学園を去った青年には申し訳ない気もしたので仕方なしにヴァーノンは紅茶を淹れなおすのであった。



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