ククリア学園 ロイとアンセルム~給食のおっちゃん襲撃事件

ククリア学園

-Astorni & Isukarna-

ロイとアンセルム~給食のおっちゃん襲撃事件

 
「なぁロイ、絶対怒らない給食のおっちゃんVS絶対怒らせる生徒でほこたてやろうぜ!」
「いいねー」

初等部4年のアンセルムと、ロイは大の仲良し。今日はどうも良からぬことを企んでいるようです。
さて「給食のおっちゃん」は、何があっても絶対に怒らないことで有名でした。今までの生徒の中にもおっちゃんの帽子を隠したりする者がいたようですが、その時も決して怒ったりしなかったといいます。
「あの人よほどのことがないと怒らないぞ」
「怒ったところ見てみたいよね」
と、そんな話をしながら給食のおっちゃんを探します。庭を見ると、例のおっちゃんがイモのたくさん入った箱を抱えて歩いています。
チャンスだ、と二人は庭に走って行きます。そして。
「おっちゃん覚悟ー!」
「覚悟ー!」
と、後ろから突き飛ばしました。
倒れるおっちゃん、散らばるイモ、そして響くおっちゃんの悲鳴。
おっちゃんは、突き飛ばされた勢いで近くにあった岩に顔面を強打したらしく、しばらく痛みに震えていました。
「こ、これ、ヤバくねぇか...?」
「うん...」
二人は急に怖くなって、その場から逃げ出しましたが、ちょうどその時、おっちゃんの悲鳴を聞きつけた先生達や他の生徒たちが集まってきました。二人はたちまち捕まってしまいました。
アンセルムの母親でもあるミルドレッド先生が、二人を連れて空き教室に入りました。
「アンセルム。ロイ君。そこに正座しなさい。」
二人は大人しく正座します。
「給食のおじさんを襲撃するとはどういうことですか!!もし打ち所が悪かったら、死んでしまうところでしたよ!」
「し、死...!?」
「それくらい大変なことをしたのです!まったく、お母さん恥ずかしくて明日から学校行けません!
ほら、謝りに行きますよ!」
「はい...」

給食のおっちゃんは保健室で怪我の手当てをしてもらっていました。
「ちょっとしみますよー」
「いたた...」
「あら、子供たちが謝りに来たようですよ」
「おやおや」
ミルドレッド先生に連れられて、今にも泣き出しそうな顔をしたロイとアンセルムがやって来ました。
「この度は本当に申し訳ございませんでした。」と、ミルドレッド先生。
「ごめんなさい...」
二人もそう言って、深くお辞儀します。
「本当に何とお詫びして良いのやら...」
ミルドレッド先生の言葉に、おっちゃんは答えます。
「いえいえ、そんなにお気になさらず。子供がやったことですから。」
「しかし...」
「やんちゃ盛りの時期ですからね。少し今回は度が過ぎましたが、ね。」
「本当に申し訳ありませんでした...うちの息子は退学にして頂いても」
退学という言葉にビクッとするアンセルム。しかし。
「そんな退学なんてとんでもない!私は大丈夫です。そんなことより、やんちゃ坊主には少し灸を据えましょう...今日のご飯づくりを手伝ってもらいましょうか。」
にっこりと二人に見る給食のおっちゃん。二人は何度も頷きました。そしてそのあと、大量のイモの皮むきをすることになりました。

このあと、先生だけでなく生徒会からも呼び出しを受け大いに叱られ、全校集会では校長が「真の勇者とは」という題目で長々と語ったために貧血で倒れる者が続出しました。

ロイがつらかったのは、イモの皮むきでも、生徒会からの呼び出しでも、校長の長話でもありませんでした。

「うちの息子が、本当に申し訳ございませんでした...」
学校に呼び出され、事情を聞かされた母親の涙を見て、ロイは本当に大変なことをしてしまったと思いました。そして二度とそのようなことはしないと誓ったロイなのでした。



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