ククリア学園 不幸な青年の話-MM&クリスピン君の場合- by ナイン

ククリア学園

-Astorni & Isukarna-

不幸な青年の話-MM&クリスピン君の場合- by ナイン

 
「クリスピン・ファニーニ」
「――はい……」
「君が、その何というか――」
「何を迷っている。単刀直入に聞けばいい」
「まあ、そうなんだが……」
「まったく――マクシムは甘い。クリスピン・ファニーニ。イスカルナ女学院の乙女――しかも初等部と思われる女性と親しくしているらしいが、事実か?」
「! いえ。その事実ではありますが、事実でもなく」
「事実だけど事実ではないだと? どういうことだ」
「モンブラン――喉元に剣を突きつける勢いで聞くものじゃないよ。とりあえず僕らの方に来ている報告は、今モンブランが言った通りだ。事実ではない部分と言うのは?」
「エトワール……いえ、レディー・バドワイザーは初等部ではありません。中等部の一年と聞いています。実際、身に着けている制服は中等部のもので……ただ、その見た目が……」
「中等部一年……」
「高等部一年と中等部一年か……」
「その、特にやましいところは何もありません。図書館で少しだけ会話を……その後も外出中にたまたま声をかけられました」
「イスカルナの乙女から声を掛けられた――それで間違いはないかな?」
「お前から声を掛けたわけではないのだな?」
「――はい。自分としても、突然制服のイスカルナの乙女に駆け寄って来られて挙動不審になってしまい……注目を浴びてしまったので、こういうことになったのかと」
「――ふむ」
「……どうする? マクシム」
「まあ――イスカルナの乙女が相手となれば世間の注目を惹く。それは実感したことだろう」
「――はい。それはもう、重々」
「だから――巧くやるんだね」
「――はい……って、は? 巧く?」
「男女交際厳禁は、学園でも、それ以上にイスカルナ女学院でも厳格に言い渡されていることだ。今回のように街中の人目を集めるような場所で、疑われるような行動をとっては、僕らは君を罰しないといけない」
「――はい」
「だから、これからもそのレディー・バドワイザーと関わっていくつもりならば、巧くやりたまえ――どうしろ、とは僕は言わないけれどね」
「マレット会長……」
「とりあえず今回の事は――今月は基本的には外出禁止……で、いいかな? モンブラン」
「――まあ、それくらいで妥当だろう。外出の必要性がある時は、内容次第になるから、きちんと申請しにくるように」
「はい」





「巧くやれ――か。教師に聞かれたら目を剥かれるぞ」
「まあ、特に今のところは何事もないのだろし。僕らが厳しくすることでもないだろう」
「だといいが」
「中等部一年で、初等部と見間違えられる相手……というのは、少しひっかかるけど」
「――少し……か?」
「……まあ、それ以上は言わないでおこう……」



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