ククリア学園 交流会一日目④
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ククリア学園

-Astorni & Isukarna-

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交流会一日目④

 
「こちら、ヒルベルトちゃん♪」


クラウディアに紹介されたヒルベルトは一言も口をきくことなくアサヒを見下ろしている


「こちらはアサヒちゃん♪」


同じく紹介されたアサヒも声を発することができずヒルベルトをじっと見ている



(なんなの!?なんでいきなりガン飛ばされてんの!?)

友人の恋人から向けられる鋭い視線に動揺しつつもアサヒも強い視線を投げ返す

しかしヒルベルトの表情は変わらず、かといって目をそらすこともできず、現在に至るのだ



(なに!?目を逸らしたら殺られんの!?クラウディア!助けて!)



心の中で友人に助けを呼ぶも、当の本人はにこにこと嬉しそうに二人を見ている

それどころかこの状況に飽きてきたのであろう欠伸をしている細工馬鹿の青年に話しかけはじめた


「ハリーちゃんもアサヒちゃんと仲良くなったの?」


『ハリーちゃん』と呼ばれた青年は一瞬顔を歪めたが、悪気のないクラウディアを見て、はぁとため息をつく


「さっき会ったばっかりで喧嘩中だ。まだ仲良くねぇよ」

「あらあら」


くすくすと笑うクラウディアは自分の友人と恋人が大変なことになっているのに気付いていないようだ

むしろ『見つめあって仲良くなった』くらいに思っているのかもしれない、とアサヒは一抹の不安を覚えた


「あら、そろそろ時間かしら」


ちらりと時計を見たクラウディアの声を聞き、アサヒはやっとヒルベルトから視線を逸らす事ができた

確かに交流会の終了時間が近づいている


同じように時計を見ていたヒルベルトにクラウディアがそっと近づく

そしてヒルベルトの上着の裾をきゅっと握り


「ヒルベルトちゃん、また明日ね」


そう言って花が綻ぶように笑った


いつも可愛らしいクラウディアだがヒルベルトの前では更に可愛らしさが増すように感じた

そしてそれに答えるヒルベルトもさっきまでアサヒに向けていた表情と全く違い、クラウディアへの思いが伝ってくるようだ



アストルニ学園もイスカルナ女学院も男女交際は禁止されている

この交流会は二人が堂々と会える数少ない機会なのだ




幸せそうにほほ笑む友人を見ながら、アサヒはいつか自分もあんな相手と出会うのだろうか、とぼんやりと思った


すると突然ぐいっと腕を引かれハッとする


不躾なことをしたのは細工馬鹿の青年・・・ハリーだった
そして二人の距離はなかなかに近く、反射的に離れようとするが掴んだ腕がそれを許さない


「ちょ、何!?」

「アサヒ、明日ブローチ忘れんなよ」

「な、名前・・・!」

「あ?アサヒだろ?さっきクラウディアが言ってた」

「そうだけど!」

「じゃ、ブローチな。あとその髪飾りもして来いよ」

「それはあたしの勝手でしょ!」



腕を振り払い、今度は平手をかまそうとアサヒは手を振り上げたが、どうやら読まれていたようでひょいっと避けられてしまう

そしてにやりと得意げに笑ったハリーはそのまま人混みに消えていった



「あいつ~・・・!!」



その後、クラウディアからハリーとヒルベルトが同室だと教えられたアサヒは世間の狭さに愕然とした

そしてその夜、苛立ちながらもブローチと髪飾りを用意する自分が不思議でならなかった
 


ファーストコンタクト
illustrate by 藤村ゆみ



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