ククリア学園 交流会一日目①
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ククリア学園

-Astorni & Isukarna-

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交流会一日目①

 
広く煌びやかな会場
女性達は華やかなドレスに身をつつみ
男性達は皆、王子様のようだ



女の子なら誰もが一度は夢見るであろう空間の中で



「つ、疲れた・・・」



アストルニ学園との交流会がはじまって数十分

アサヒはすでにぐったりとしていた




原因の一つは普段着なれないドレス



藍色のマーメイドドレスはアサヒの体のラインを美しく見せ、それと同色の硝子細工の髪飾りはアサヒの黒髪によく映えた


こういった物を選ぶのを不得意とするアサヒの替りに中学生の弟が選んだものだ


「お姉ちゃんに絶対に合うよ」と、嬉しそうに話す弟に感謝しつつもいつものように速足で歩くことのできないドレスに悪戦苦闘していた




もう一つの原因はアストルニ学園の生徒に声をかけられたこと




アサヒはイスカルナ女学院に入学するまでは兄弟達と同じ学校に通っていた

そこでは毎日のように走り回りケンカをし、男の子のように生活をしていた為女性として声をかけられることなどなかったのだ


それがドレスを着て静かにしていることで男性からにこやかに話しかけられ、なんとか動揺を隠しつつ作り笑顔でその場を離れること数回




「やばい・・・ドレスってすごいんだ・・・」




アサヒは会場の隅で気配を消すことを覚えた




しばらくすると開始当初の少し浮ついた雰囲気も落ち着き、どちらの生徒も和やかに歓談する姿が見られるようになった

タイミングを見計らい、アサヒはそっとテーブルに近寄る



この交流会での彼女の目的である『ご馳走』を手に入れるために・・・



交流会が全員参加であると知った時からアサヒは「とりあえず美味しいものを食べよう」と決めていた
それくらいしか楽しみ方が見つからなかったからだ



さっきからいい匂いをさせているご馳走を前にお預け状態だったアサヒは嬉々として目の前の皿に手を伸ばした




アサヒがその皿に触れたのと、横から伸びてきた大きな手が皿をつかんだのはほぼ同時だった



アサヒは数度瞬きをして、手から腕へ、腕から肩へと視線を上げていく

手の主もアサヒと同様に視線を向けていたのか、同じタイミングで目が合った



薄い茶髪に、それを深くしたような色の瞳
肌は女のアサヒよりも白く、整った顔立ちをした青年がアサヒを見つめていた




どこかの物語のように恋がはじまりそうな出会い





二人の眉間に皺さえなければ




空腹のあまりアサヒのお嬢様の仮面が剥がれだす



「・・・ちょっと、離しなさいよ」

「断る。お前が離せ」

「あんた、そっちの手にカラの皿持ってるじゃない。もう食べたんでしょ。譲りなさいよ」

「嫌だ。俺はこれが食べたいんだ」

「あたし今まで何も食べてないの!」

「知るか。俺には関係ない」

「この・・・!」



お互いに皿をつかんで離そうとしない

アサヒも力には自信があったが、逞しい腕をした青年に勝てるはずもなく




アサヒの中で今まで『お嬢様らしく』していたストレスがピークに達した




「離せって言ってんでしょ!!なんなのあんた!!」

「うっせえ!お前こそなんだ!声がでけぇんだよ!」

「あんたもデカいわよ!!紳士だったらレディに譲りなさいよ!!」

「レディなんかどこにいんだよ!!」




この騒ぎが放っておかれるはずもなく、二人は友人達にすぐに抑えられ、アサヒは空腹のまま最悪の相手と二人でお説教を受けることになった



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